王さんと長嶋さん 【No.211】2010-01-21 Thu 06:00
私の少年時代には、もう王さんと長嶋さんは引退していました。
「王と長嶋」と言えば、監督というイメージが強い、そういう世代ですね。 現役時代を知らないということもあるのですが、 私は、長嶋監督が好きではありませんでした。 「ぐっと」「がっと」と言うような擬音語や擬態語の多い説明、 独特でユニークな言動をどうも理解できなかったのです。 理屈の通じない、訳の分からない人、そんなイメージでした。 どうしてあんなに人気があるのか、 生真面目だった私には分かりませんでした。 反面、王さんに対しては尊敬の思いをずっと持っています。 王さんは中国人の子と言われて苦労して育ったそうです。 巨人に入団した当初は、出所をバカにするヤジが飛んだそうです。 しかし王さんはそれを黙殺し続け、 1本1本の本塁打でヤジの重圧と跳ね返し、ヤジを封じていきました。 ![]() 王さんは「忍」という字をしばしば色紙に書くそうです。 現役時代の王さんのことを知りませんが、 そういう話しを聞き、王さんに魅力を感じたんですね~。 しかし30代に入ってぐらいから、 私は長嶋さんにも魅力を感じるようになったのです。 私にとって、長嶋さんは理屈の通じない世界に生きておられるようで、 一緒に生活をしたり、仕事をするときっと大変だろうなぁとも思うのですが、 それでもそういう長嶋さんの存在が「いいなぁ」と思えるようになったのです。 (ちょっと長嶋さんに対して失礼かな?) 病気から少しずつ復帰されていることを喜んでいます。 ![]() もしかすると年齢を重ねると共に、この世界は理屈が通じないこと、 不条理なことが多いことを私自身が知ったからかもしれません。 あるいは、自分の頭の中の小さな理屈の世界よりも、 理屈で割り切れないことの面白さを知ったからかもしれません。 それは自分の計算通りにならないことのズレを受け入れる、 発見する、楽しむ、そういうことの大切さを知ったからかもしれません。 王さんと長嶋さんから、そんなことを考えていました。 |
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