「きよしこ」2013-05-09 Thu 06:00
今年2月の特別講義の主題が「差別を考える」ということで、差別語について調べている時に、『きよしこ』という本を知りました。
いわゆる「どもり」の少年が主人公の自伝的な小説なのですが、今はもう「どもり」と言わずに「吃音」というようです。私自身は「どもり」でも良いのになぁと思うのですが・・・。 本を読む時の面白さは、知らなかったことを知る喜びや驚きの他に、「あー、そうそう!同じように考える人がいたんだ」という共感もあります。私にとって『きよしこ』は、共感部分が強い本でした。 そうです、私も「どもる少年時代」を過ごしてきたからです。正確に言えば、今も時折りですが、言葉がすんなりと出てきません。 「心の中でなら、いくらでもなめらかに話せるのに」(p.30)や、「メロディのついている言葉は、つっかえない」(p.31)という思いが、「あー、そうだ、そうだ」とよく分かるのです。 ![]()
そうなんですよ、別の言葉に言い換えるんですよね~。私の場合は「ア」行、つまり母音が今も出にくくて少々困っています。 結婚式の聖書朗読で「愛」の「あ」が出てこなかったのです。息を吐きながら、何とか出た「あ、愛」の頼りなさ・・・(笑) また前任地の教会名が母音から始まるので、上手く言えないのです。なので電話では「はい、教会です」と応対します。 するとある時、大先輩の牧師から「どちらの教会ですか?」とわざと尋ねられ、「電話の応対は、きちんと正式名称を言って下さい」とご指導されました。 後輩を思う優しいご指導だと分かっているゆえに、その指導に応えられない自分にもどかしさを覚えていました。 現在の教会は、私にとって発音しやすい「カ」行から始まるので、言い易いのですが、それでも「はい、教会です」と応対しています(笑)
そう!レストランなどで注文する時に、注文したいものが言えないのです。メニューを指で示すか省略して言う時、トイレに行き誰かに言ってもらうとか、言えないから違うものを注文する時も・・・。
じぇじぇじぇっ!!!(連ドラの真似・笑)まさに高校、大学時代の私の思いそのままです。 そんな人に説明しても分かってもらえないようなことを、この本にはたくさん記されていました。もし吃音の方が周りにおられたら、一読をお勧めします。 少年時代のことも含めて、私にとって大きく共感できる1冊ですが、決定的な違いもあります。明日はそのあたりについて記します。 ![]() にほんブログ村 日記
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